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【グルメの迷宮】ゴジラのふもとでナゾの唐揚げ◆春日[おかだ]

11/04/07 |散歩の達人編集部より|

 都営三田線と大江戸線の交差する、地下鉄春日駅。丸ノ内線と南北線の交差する後楽園駅も地下通路でつながっているから、訪れようと思えば不便な場所ではない。

 地下鉄構内をうろついて、都営三田線寄りのA3出口・小石川1丁目方面の階段を登る。地上に出たら背後を振り向くと、春日通りと白山通りの大きな交差点がすぐ先に広がっている。そちらへ数歩足を進め、右手の角の2階をふと見上げる。するとあるのが「おかだ」である。

 

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 大通りを挟んでそびえたつの巨大ビルは、26階建ての「文京シビックセンター」つまり、文京区役所である。劇場施設が含まれているにせよ、周囲から際だってデカイ。そのデカさと半円形に飛び出した最上階部分(無料展望ラウンジ)を顔に見立てて、かつては「ゴジラタワー」と呼ばれたものであった。確かに良くも悪くも威圧的な感じがする。そんな「ゴジラタワー」に対して、交差点あたりから見上げる「おかだ」の存在感は、年期のいった店の看板と相まって、なかなかいい勝負を取っているように思える。あきらかにヒイキ目である。

 

 雑居ビルの階段から2階の入り口へ。町によくある居酒屋風とんかつ屋といったゆるい雰囲気の店構え。ランチタイムは午後3時30分までなので、少し時間をずらせばゆっくりできるはず。

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 1〜2人で訪れるなら、店内入って左手のカウンター席をオススメしたい。デートコースにはビミョウだが、交差点が見渡せるなかなかの絶景ポイントなのだ。

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 早々に席に着き、風景を眺めながらのんびり待つのは、お店の看板メニュー「唐揚げ定食」である。

 ご飯・豚汁・サラダ付きで830円。一見ありふれた献立だが、1つ大きな違いがある。唐揚げと申しましてもトリ肉にあらず、豚のロース肉の唐揚げなんである。最初は、コケコッコがブウブウなだけのことね、程度にしか思わないのだが、何となしに考えてみると、豚の揚げ物は、トンカツか中華風に豚の天ぷらはあっても、唐揚げは聞いたことがない。いったいトンカツ、天ぷらとどう違うんだろか……考えるほどに疑問がわじわじと膨らんでくるのである。

  はたして運ばれて来たのは、盛りのいい褐色の揚げ物であった。

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 器は8角皿の中華風。しかし添え物のキャベツの千切りは洋食トンカツ風である。

 割り箸に手を伸ばし、さっそく食べてみる。衣は薄くさくりとした仕上がり。濃い色の割に、味付けは控えめだ。ほのかな生姜の風味が口に広がるので、和風の唐揚げということになるだろう。テーブル毎に塩や醤油、ソース類がまとめて置いてある。ひと味加えようとあれこれ試してみたが、ウスターソースが個人的にはしっくりきた。

 和洋中が一緒くたになった、形容のしがたい美味さである。うーむうーむとうなりながら唐揚げを食らい、飯をかっこむ。味わいつくすにはそれなりのスキルがいるかもしれぬ市井の異彩。食文化の交差する凡アジアな一皿。勝つためには無心になって食らうしかない。ああ、何言ってんだろ自分。

  ついてくる豚汁もフツーに美味しいし、サラダ(この時はスパゲッティ・サラダ)も懐かしい感じでまずまず。試してみる価値のある、ちょいと不思議な豚唐揚げ。旺盛な好奇心が絶妙の調味料になってくれるはずである。

 (写真・文=奥谷道草)

 

 

DATA  とんかつ唐揚 おかだ

揚げ定食830円 文京区小石川1-1-1 小石川ビル2階 電話  03-3811-6975

営業時間 11時〜15時30分 17時〜22時30分(土〜14時まで) 日祝休