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【グルメの迷宮】モツの老舗で貫禄の緑富士◆もつ鍋帝王[池袋]

12/04/18 |散歩の達人編集部より|

 池袋駅地下1階に広がる、アリの巣みたいに複雑な連絡通路をうろつき、メトロ有楽町線の改札の並ぶ南通路にさまよい出る。西武デパートのある方角を確認し、通路を進む。突き当たりは上り階段でちょい床が高くなっている。これをエイヤッと登り、少し進んで右前方を見ると、今度は下り階段があり、先で二股に分かれているから、右斜め方向に続く広い通路の方を進む。 

 人気のないわりにやたら広々とした通路はすぐ左に折れ、直進して、はるか先で壁で終わっている。以前は、中程の出口で、老舗生地店キンカ堂さんの大きなビルと連絡して、それなりに利用されていたのだが、一昨年閉店して以来、人通りはさっぱりだ。景気づけに靴音でも響かせて、終点の壁まで進んで頂きたい。壁の右手に雑居ビルにつながる階段がある。従業員用の裏口みたいで、雰囲気バツグンの39番出口である。登り切るとそこは、くたびれた繁華街の十字路。出入り口を背にして手前右、コンビニの並ぶ筋へ進む。通りの左先前方に、入口に提灯を並べた店がすぐ見えるはず。今夜のお目当て「もつ鍋帝王」である。

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 このあたり、広くとらえればジュンク堂書店のビルの裏手一帯は、周囲のナウでヤングな混雑を尻目に、落ち着いてしっとりしている穴場エリア。「もつ鍋帝王」は、そこの古株的飲食店のひとつ。ダテに帝王ではないのである。

 看板を見るとフルネームは「もつ鍋帝王・ニュー東京ふるさと」となる。格子戸をがらがらっと開いて中を覗けば、なるほど民芸風の「オラがふるさと」といった風情の店内である。

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 30数年の歴史を持ち、近頃のモツブームなんて関係ないね、の博多風モツ鍋の老舗居酒屋である。お客さんは、いかにもご近所という感じ。目と鼻の先にある、サンシャイン通りのうわついた喧噪とは別世界。落ち着くねえ、おっさんだねえ。 

 「いらっしゃーい」。年季の入ったおニイさんの声に迎え入れられ、つまみをいくつか、それに主役のもつ鍋を注文する。飲み物は、おお、どぶろく置いているんだ。じゃあまずそれ1本。

 卓にほどなくやってきたのは、ニラにぐるりと被われ、小山を作ったモツ鍋である。

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 これで二人前。みめ美しい鍋である。

 ニラの下には、特製スープの中に牛モツとたっぷりのキャベツが盛りつけられ、ニンニクと鷹の爪の刻んだのが、散らしてある。コンロに火を付け、どぶろくをちびちび舐めながら待つことしばし。ぐつぐつ煮たってきたらニラの山を崩して具全体をまぜあわせ、取り皿に分けて、はむはむと戦闘開始である。

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 ぷるぷるの牛モツと、キャベツとニラのほろ苦甘さの組み合わせは当然ながらバッチリ。秘伝のスープはうま味たっぷり、かつさっぱりした塩味で、素材そのもので直球勝負しておりますという味である。アクセントのニンニクと鷹の爪の辛みが、きゅっと全体をつまみ上げ、うまうまである。あっさりめのどぶろくが、これまた相性のいいこと。

 無心でかっこんで、具が消えうせたら麺を投入する。軽く油であえた中華麺で、モツや野菜のうま味を貯め込んだ特製スープに浸してすすると、あら美味しい。するりと食べ切れてしまう。

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 30数年の年季というものなのか、どっしりと安定感のある味と食べ応えに、ううむ参りましたの一時であった。

 (写真・文=奥谷道草)

 DATA  

「もつ鍋帝王 ニュー東京ふるさと(本店)」

もつ鍋1500円(注文は二人前より) 豊島区南池袋2-27-1 電話03-3983-5524 営業時間 17:00~24:00 無休 池袋駅周辺に支店2件あり(支店は月休)。 http://www.geocities.jp/tsuyukisixyouji/