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【グルメの迷宮】味と店名にびっくり立ち食い◆いわもとQ[麹町]

12/11/21 |散歩の達人編集部より|

 メトロの麹町駅。渋谷方面寄りの1番出口を出ると大きな新宿通りが左右にでんと延びている。向かってすぐ右手には曲がり角があり、釣り竿を持った「夏の思い出」なんて彫像が角に立っている。この旧江戸城の外堀内側に位置する閑静なオフィス街との対比が、ちと面白きかな、である。

 新宿通りから曲がり角に入ると、すぐ前方に立ち食いそばの店がある。オフィス街の典型的風景。ああ、どこにでもある奴ねとか、簡単に通り過ぎてしまいそうなのだけど、ちょいと待った。何やら見覚えのない店名ではないか。

 それが今回の「いわもとQ」である。

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 立ち食いそばにしちゃあ奇妙な店名につられて、看板をさらに見れば、「ありえないお店を目指す店」「本格そばとおいしい天ぷらの店」などの見出しも躍っている。しかも24時間営業。佇まいからして、やってやるぜオーラが溢れ返っている。この手のオーラはえてして空回りしがちなんだけど、だけど違ったんだなあここは。

 「いらっしゃーい」とお兄さんの明るいかけ声に迎え入れられ、入口脇の自販機で、人気商品の天丼セット680円を購入。そばと天丼のセットで、そばは「もり」「かけ」「ひや」から選べる。「ひや」は、あらかじめつゆにひたしたもりそばである。とりあえず「ひや」にして、チケットを厨房の渡し口に差し出す。 

 注文を受けてから調理するそうで、天ぷらは揚げたて、そばも茹でたてが基本。それも最速を目指し、数分もすれば供される。混雑する11時30分~13時の昼時は、「天ぷらが揚げ置きとなる場合が御座います、ご了承下さいませ」なんて張り紙までされている気の配りようである。

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 店内はいたって普通。コンパクトにまとまっていて、立ち食いといっても全席座席付き。1階は窓際にカウンター1列、2階はテーブル席という構成。周囲を見回していると注文の品が整い、トレイごと受け取り2階席へ。さ、いただきましょかね。

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 見た目はほんまに普通の立ち食いそば&天どんである。まず、そばをひとすすりたぐって驚いた。細めでしゃっきりした喉ごしが実にいいぞ。熟練の職人が、トントン細切りにした高額な本格手打ちに比べればそりゃ劣るけど、立ち食いそば値段で、このレベルはかなりのもんだ。勢いで「もり」と「かけ」も単品で頼んじゃったのだけど、「もり」はタレが適度に濃い目できりりと美味く、「かけ」は鰹節の効いたまろやかな汁といい、口の中でほろりとくずれるそばの食感といい、本格志向の美味さである。

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 さらに天丼にもびっくりだ。並は、えび、イカ、キス、いんげんの4品で、揚げ加減が実にいい。えびはぷりっぷりだし、キスは柔らかいし、イカは適度な弾力をもってさくっと揚がっている。大ぶりのいんげんもまずまず。硬めに炊いた飯との相性もよく、某天丼チェーンより上でしょうこれは。 

 いけるいけると、がつがつ平らげて店を出た。ボリュームも申し分なし。うれしい不意打ちってやつじゃん、である。

 後で調べてみると、いわもとQの目標は「本格日本そば店に劣らない味を、路面店と遜色ない価格で提供」をめざし、茹でたて揚げたてにこだっているとのこと。言うは易く、行うは難しを、着実に実現している姿勢はすごい。

 また、ちょいと奇妙な店名は、本来は「いわもと」だったのだけど、その横に描いた丸顔の人がぱくっと箸をくわえているシンプルな絵が「Q」に誤読され、かえってカジュアル感があっていいかもと「いわもとQ」に名称変更してしまったのだという。看板のQを見ると確かに、目玉が2つついている。

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 これまたびっくりである(笑)。

 チェーン展開するものの現在はまだ都内3店舗。もっとあっていいレベルなのにと、さらにびっくり。このお値段なら大満足のいわもとQ、由来を知ったらロゴの「Q」が、美味しくそばをすするマルっとした笑顔に見えてきた。

 この笑顔、あちこちにもっと増えてほしいものなのである。

 (写真・文=奥谷道草)

 

DATA 

いわもとQ 麹町店

天丼セット680円、そば単品各種280円、他諸々。千代田区麹町3-5-13  電話03-3239-9033 24時間営業。他に新宿店、池袋店あり。http://iwamotoq.co.jp/