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【グルメの迷宮】じとじと梅雨に勝つカツ◆新宿[すずや]

13/07/17 |散歩の達人編集部より|

 新宿歌舞伎町の入口にある「すずや」といえば、とんかつ茶漬けで有名なあの店である。新宿アルタ裏手の2ブロック先にある靖国通りに出たら、最寄りの横断歩道を渡り、左手のビルにおおきな看板が見えたら、看板のビルの正面に進み、右脇の瀟洒なガラス扉から2階へ上れば、お店の中、いらっしゃ〜いである。

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 近頃は、秋葉原や用賀、亀有等々、都内に支店を増やし、勢力をもりもり伸ばしつつある。前ほど珍しい店ではなくなってしまったけど、名物のとんかつ茶漬はまだまだ知る人ぞ知る関東限定のナゾの味で、遠方からの知人をニヤニヤして連れて行く楽しみは健在である。
 加えて、食のイマイチ進まなくなる梅雨時にでもさっぱり食べられるカツとしても貴重で、湿度が高くなるにつれ、今頃の時期は一度は足を運んでしまうのだった。

 付け焼き刃でない高級民芸調の店内に腰を降ろし、注文するのは無論とんかつ茶漬けである。

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 新宿本店にはここ限定の「にんにく生姜醤油味」があるので、今回はそれを選ぶ。相変わらずちょっと冷房効きすぎの店内で待つことしばし。注文の品がやってくる。

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日本茶の急須と共に、鉄板に乗った醤油味ベースのトンカツが、炒めキャベツに隠れているあたりからして独特である。「にんにく生姜醤油味」は、より独特かというとそうでもなくて、見た目はキャベツの表面に、おろしにんにく混じりのタレが見てとれる位の違い。箸を取ってさっそく口をつける。

 とんかつ茶漬けは、食べる手順が楽しみかつ戸惑いの一時である。普通にカツと飯をほおばるもよし、飯にカツと味付けしたキャベツを乗せ、一緒に運ばれてくるお茶をそれにかけて、ひたひたにしたのを頂くもよし。
 まず、お茶漬けにしないで食べて、それからお茶漬けにして食べ進むのが一般的スタイルだが、どのあたりで切り替えるかが悩ましい。個人的に好きなのは、まず普通にカツを4割ほど食べ進み、それから丼の飯に、カツを載せるより先にお茶を注ぐ。続けてカツと炒めキャベツを乗せ、箸で適当にかきまぜながら食べるスタイル。こうすると衣がお茶漬けでやわらかくなりすぎないで食べれるのだ。

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 何を細かいこと言ってるんだろうねと思われるかもしれないが、各自それぞれの食べ方の工夫が、すずやのお楽しみのひとつなのである、はむはむ。

 「にんにく生姜醤油味」は、文字通りにんにくのちょいと効いた一品で、なるほどコレもありだなという味であった。それ以外はおなじみの味で、日本茶の渋みと、炒めキャベツの甘み、醤油味のトンカツのハーモニーが絶品で、最期は自然にずずずとすすり込むことになる。お茶のおかげで、あまり胃もたれしない食後感もここならでは。いつの間にやら、東京の郷土食ぽくなってきたなあと思うのであった。

(写真・文=奥谷道草)


DATA 

すずや新宿本店
とんかつ茶漬け・にんにく生姜醤油味1500円  新宿区歌舞伎町1-23-15 杉山ビル2F 電話 03-3209-4480 営業時間11時~23時 無休。