主なカテゴリ
  • 時刻表
  • 雑誌
  • 書籍
  • こどものほん
  • 新書
  • 新聞
  • 会社案内 企業・書店様へ

ショッピングカートを見る

トピックスニュース

【グルメの迷宮】リトル・リアル・アフリカ料理でウッホッホ◆吉祥寺[アフリカ大陸]

13/09/09 |散歩の達人編集部より|

 梅田洋品店の梅田さんは、毎年アフリカに出向いてコレはという柄の生地をセレクト、日本に持ち帰って衣類や小物に仕立てる、ステキなお針子兼女主である。「アフリカワイイ」を掲げて手がける品々は、エスニックものにありがちなドロドロテイストとは一線を画する、洒脱なセンスがさらりと漂っている。
 本誌の取材がきっかけで知遇を得て以来、そんな品々に参ってしまい、夫婦そろって半袖シャツやワンピを生地を選んで仕立てて頂いている。仕立てるって言っても、セミオーダーの半袖シャツが約1万5千円、ワンピ2万円位のリーズナブル価格なんですせ。縫製もしっかりしてるしオススメ。

 その梅田さんは、生地のみならずアフリカ全般にどっぷり浸かっていて、アフリカン・カルチャー全般に造詣が深い。そして、ひょんな事から、吉祥寺に都内イチオシのアフリカ料理店があるから皆で食べに行こうじゃないの、という事になったのである。アフリカのスペシャリストと、イチオシのアフリカ料理三昧なんて機会、なかなかあるもんじゃない。二つ返事で食い付いたのは当然の成り行きだ。だけど、吉祥寺にアフリカ料理なんてありましたっけとか思いつつ、夕刻、教えてもらった住所へ、ウッホッホと向かったのである。

 現在工事中の吉祥寺駅は、連絡通路がとんでもカオス状態にある。これをアフリカ料理にありつく前のジャングル探険と割り切り、なんとか1階南口(公園口)まで抜け出す。出たら目の前の通りを左折、つまり新宿方向に真っ直ぐ進む。井の頭線のガードをくぐり、大通りを渡り、さらにきっぱり真っ直ぐ進んでい行く。「末広通り」の表示が見えていたら正解だ。
 このあたりは、渋い飲食店が並ぶ魅惑地帯なのだけど、寄り道することなく黙々と進む。5,6分も進むとコンビニもなくなり、ちょいと心細くなった頃、十字路の少し先の右手に、3色のラスタカラーに輝く物寂しい看板が見えるはず。

.jpg

 お目当ての店「アフリカ大陸」への道しるべである。

 店があるのは、看板脇から階段を下り、中庭が吹き抜け構造になっている雑居ビルの地下1階。カウンター込み12席の店は小ぶりで、アフリカ関連のポスターや小物が雑多めに置かれたラフな雰囲気が、この場合、アフリカ居酒屋って感じで心地よい。

gurume2.jpg

 自然体の店主FANTA・MIHOさんによると、オープンしてすでに11年ほどだそうな。すんません、ちょくちょく吉祥寺来るくせに知りませんでした。「店が吉祥寺の奥の方にあるからね」とMIHOさん。

 予約しておいた入口脇の4人席にどっこらしょと坐り、まずはガーナ産のヤシ酒を現地風にヒョウタン・カップで乾盃……が、その前に、店主MIHOさんの指導が入り、最初に右手でお酒を2滴、地面に垂らす。神様と一緒に飲むあちら流の仕来りである。

gurume3.jpeg

 アフリカミサマか、いいねえ。初めまして、御一献くださいませ。
 ヤシ酒は以前も飲んだことがあるが、ここのはかすかに青みがかったクセのある酸味系。さらっとしていて慣れると美味である。

 「アフリカ大陸」は、西アフリカ方面を中心とするアフリカ料理の店である。メニューはあるものの、その日のスペシャルも多い。この日は梅田さんの手配で、「チェブジェン」というスペシャルを用意くださっていた。セネガルの国民食だそうな。

gurume4.jpeg

 これは、洗面器台の器に盛りつけて3人前。アフリカ風パエリアといった一品で、ハーブを詰めた魚、野菜の下にご飯が隠れている。ネテトウという納豆風の発酵豆を薬味で食するのだけど、野菜と米、魚が口内で混ざり合い、独特のオイリーなうま味と素朴な味が新鮮。そして、ヤシ酒との相性がバッチリだ。うまいうまいと平らげるにつれ、ドカ食いのエンジンが入り、MIHOさんと相談しつつあれこれ立て続けに注文である。

 お次は「フフとバーナムナッツのスープ」である。

gurume5.jpeg

 フフはヤムイモとプランティーン(バナナの親玉みたいなやつ)の粉で作った大きな団子の取り合わせ。もちもちのフフとヤギ肉ととうがらしの辛みがマッチ。
 小麦粉でなくて雑穀を使ったクスクスに鶏肉ソースをかけたのが「ニレット」で、これがまた複雑なコクがあってアタリだあ。

gurume6.jpeg

 5種類の香辛料でヤギ肉等を煮込んだナイジェリアの「ペペスープ」も、コショウが聞いた酒の進む味だなあ

gurume7.jpeg

 等々……。味もさることながら、料理とアフリカンな器の取り合わせが、これまたきれいで、アフリカ+MIHOさんの色感さすがねである。

 梅田さんの話では、現地ではこういった料理をもう少しボリューム多めにこさえて、みんなで1回の食事に付き1種類食べるのが普通なんだとか。
「じゃあ、こんなに食い散らかすなんて、我りゃはハイエナみたいですねっ」
 明るく答え、ややあきれ顔の梅田さんをよそに、じゃかじゃか食べかつ飲んだのであった。「チェブジェン」を別にすれば、いずれの料理も1000円以下なんだもん。

 個人的に知る限り、我が国におけるアフリカ料理は、まだ基本キワモノ扱いで、ワニ肉使ってるだとか、激カラだとか、そういう目先の奇抜さだけが喧伝されている。ここは、現地そのままの料理をふるまうことを真摯に目指している店で、やっとこさ本等来のアフリカ料理を食べられた、そんな気持ちを抱かせてくれる。
 深く舌に刻み込まれる、素朴かつ複雑な独特の味わい。ああクセになる。

(写真・文=奥谷道草)


DATA 

アフリカ大陸
料理は一人前基本1000円以内  武蔵野市吉祥寺南町2-13-4 オフィスワンビルB-103 電話 O422-49-7302 営業時間18時30~深夜 月休。  小さい店なので予約が無難。http://www.yashizake.com/ 
*梅田洋品店 http://umeday.com/