主なカテゴリ
  • 時刻表
  • 雑誌
  • 書籍
  • 児童書
  • 新書
  • 新聞
  • 会社案内 企業・書店様へ

ショッピングカートを見る

トピックスニュース

【グルメの迷宮 最終回】デリーシャス的台湾菜入門好店◆千歳烏山[天天厨房]

14/04/30 |散歩の達人編集部より|

 週1ペースで通っている台湾語教室のW老師(=先生)が、千歳烏山に台湾人シェフが手がけるよさげな台湾料理店ができたらしいですよ、と教えてくれた。台北ッ子の美味好き才女が「よさげ」とおっしゃるのだから、食指もおおいに動くというものである。おおそれは素敵な情報です、ついでにご一緒いただき、本場台湾人に味の感想とかも聞きかせてもらえませんかとお願いし、日程を調整して頂いて訪問となった、謝謝您。

 最寄り駅は京王線千歳烏山駅。千歳烏山といえば、いち早くスタンプカードを導入した先駆的な千歳烏山通り商店街があって、それから、えーと、そのう、すぐに思いつかないけど、ゆったりした街並みの住みやすい街である。
 お店の開く夕刻、駅南口から商店街の大通りを抜けT字路を右折、少し進んだ先で2つめのT字路を右折。長く広めの直線道路に入る。この道路、駅から少し離れているのだけど、どことなく高級感漂う雰囲気のいい店が並んでいる。地元専用の隠れ目抜き通りという感じで、このあたりの方々の暮らしぶりがちょいと伺える。
 その通りをすたすたと3〜4分も進んでいくと、左手の脇道の角に白いレンガ張りのモダンな店が見えてきた。天天厨房である。

1-2.jpg

 基隆出身のシェフが営む小ぶりな店で、席数はカウンター・メインで14席ほど。店内はBGMにボサノバなどが流れ、こざっぱりした造りで明るい。若い店主にぎこちなく「ニイハオ〜」と挨拶し、カウンターの奥の席へよっこいしょと腰掛ける。

2.jpeg

 天天厨房はあえて小籠包を出さない。その他諸々の知られざる台湾料理をお試しくださいというわけ。台湾料理へのこだわりが、熱帯低気圧となってむんと伝わってくるではあーりませんか。
 代わりにあるのが滷味(ルーウェイ)という、スパイシーな台湾風モツ煮込みや、サツマイモの粉でとろみをつけた牡蠣のオムレツ、あちらの代表的な野菜エーツァイとニンニクの炒め物、台湾の調味料「腐乳」に漬けた客家(ハッカ)風唐揚げ、そぼろ肉のぶっかけ飯・ルーロウ飯といった品々。

3.jpeg

4.jpeg

5.jpeg

 あちらである程度食べた経験があれば、ああアレねとくる、台湾料理の隠れた定番である。

 しかもここは、しっかり素材を吟味して化学調味料はナシ。北京料理とか、大陸系中華料理の分野ではそういったスタイルを取る店が以前から評判になっているが、台湾料理では珍しいんじゃないだろか。
 さらに、そういったきちんとした台湾料理を土台に、シェフが修行した和食のテイストも薄く重ねた、好いとこ取りの料理となっているのがここの特徴。上品あっさり目の味で、盛りつけもキレイ。100%本場の味というわけではないけれど、誰でも手を伸ばしやすい、守備範囲の広い本格的台湾料理の入門編としてはうってつけである。

 さらにこの店、もうひとつ、本場とは違ったこだわり方をしているのが酒である。
 W老師によると、本来台湾では食事中酒を飲む習慣はなくお茶が普通、酒は飲み屋とかでやるものと区分けされていた。今もその傾向は強いけど、日本の居酒屋が上陸したことで、飲みながら食べるスタイルが次第に入り込んできているんだとか。なんか罪深い感じだぞニッポン文化。
 天天厨房では、うまい中国茶もポットで頂けるけど、この店流の台湾料理に合う吟味した酒をいろいろ揃えている。ことに注目は日本酒である。いくらさっぱりめの味付けになっていても中華系の料理、ケンカするんじゃないのかなと思いきや、合うんですなあ長期熟成させた古酒が。

6.jpeg

 古酒にしてはリーズナブルだし、おだやかな紹興酒みたいな味わいで、この取り合わせを楽しみたいだけでもまた来たくなってしまったぞ。

 モダンな店構えと、素材重視のこだわりの台湾料理。年配のご近所さんが顔を覗かせたり、女性客が多いのも納得である。
 どかどか食べて、ごちそうさまでした〜と店を出る。散歩好きにはロケーションと心意気が心地よい、台湾料理店なのであった。

(写真・文=奥谷道草)

DATA 
台湾チャイニーズ 天天厨房
 一品もの750から1000円くらい。世田谷区粕谷4-18-7 18時~24時 不定休、電話03-6754-6893 週末祝日は予約が無難。http://www.tentenchubo.com/

 ※「グルメの迷宮」は今回を持ちまして連載終了となります。長い間ご愛読いただきありがとうございました。