主なカテゴリ
  • 時刻表
  • 雑誌
  • 書籍
  • 児童書
  • 新書
  • 新聞
  • 会社案内 企業・書店様へ

ショッピングカートを見る

トピックスニュース

【グルメの迷宮】エキナカの穴場バーでお目ざの一杯◆上野[森香るBAR 1973]

12/02/09 |散歩の達人編集部より|

 JR上野駅3階にあるエキナカのショッピングエリア「エキュート上野」が、さりげなく侮れない。

 まず、店のセレクトが秀逸である。おなじみの駅弁や菓子などを中心に、吉祥寺で人気のはらドーナツとか、デッドモノの万年筆まで揃える雑貨店アンジェなどの個性的な店がバランスよく紛れ込んでいる。全体的に大人向けで男女両方に目配りがされているのもいい。オトコも楽しいエキナカって、あまりないのだなあ。

 駅構内という場所柄、朝6時30分〜8時の間に全店オープン、店によっては朝食対応というのもうれしい。 

 さらに、座れる店が多い点が注目に値する。

 エキナカのショッピングといえば、座ってゆっくりできる店が少ないというイメージがあるが、それを反面教師にしているのか、してないのか分からないけれど、「エキュート上野」は、カフェだけでも6軒入っている。 

 少なくとも平日はゆったり過ごせるので、山手線あたりに乗っているのなら途中下車してもいい位。そして、ホンマに途中下車して通いたくなるのが、「森香るBAR 1973」なのである。 

 そう迷うこともないだろうから、あえて場所は言わない。JR上野駅3階のエキナカをふらつけば、はずれで、どことなく哀愁をおびたパンダ像に出会うはず。お目当ての店はそのパンダの鼻の先である。 

 

.jpg

 ちなみにパンダ像は、入谷改札の外に見上げるサイズのドヤ顔した巨大なやつもいるので間違えないように。

  緑の文字が印象的な、小ざっぱりしたたたずまいの店である。

 

.jpg

 引き戸を開けてそろりと中へ。照明は落としているものの暗すぎはしない。森の木漏れ日ぐらいの感じで落ち着く雰囲気。基本的にすがすがしい。

.jpg

 ジャマにならない音量でアメリカンポップスが流れる中、物慣れたサラリーマンや年配客が、ノートブックパソコンに向かい合っていたり、新聞に目を通している。席は、今いる9人座りのゆったりカウンターと、2人掛けテーブル席が2、4人掛けが1……などとこっそり数えていると、お店を取り仕切る女性スタッフからメニューを渡される。

  この店は朝7時から営業ということもあり、さすがにアルコール一本ではない。コーヒー紅茶といったノンアルコールドリンクに、トースト、ホットドックの軽食、オリジナルスイーツも少々用意されている。

 一方アルコール類はというと、ハウスグラスワイン、ビール、ウィスキー、ジントニック、モヒート等カクテルが一通り揃う。ウィスキーが「角」「オールド」「白州」とか国産ばかりだったり、ビールがカールスバーグのみだったりするのは、サントリー系列の店だから。なるほどね。

 おつまみは、缶詰に一手間かけたバーの一品料理(とはっきりうたっている)が目を惹く。コンビーフ缶の塩せんべいカナッペ、びんちょうマグロのツナ缶とキャベツのマリネとか、これなら缶詰モノでもいいやという構成である。他にも手作りのあらびきソーセージ&チョリソとか、牛すじ煮込みまであって、エキナカというシチュエーションと店の規模を考えると、こりゃ大したものなのである。

  さっそっく看板商品の「白州 森香るハイボール」を注文。サントリーさんの誇る高級ウィスキー「白州」に、白州の仕込みに使うのと同じ「南アルプスの天然水」をやや強めの炭酸水にして合わせた、プレミアムなお品である。

 カウンターの中で、薄緑色の専用グラスが用意され、もの慣れた手つきでハイボールがこしらえられていく。最後にグラスの上でパンと手を叩いて完成。縁起を担いで三本締めをしたわけではない。香りが立ちやすいようミントの葉を叩いて、ハイボールに添えたのである。

.jpg

 昼前なんですけど、あ、どうも、くふふ、頂きます。

  ウィスキーのほろ苦い味わいときめの細かい炭酸水がマッチした、明るくきりっとした味わい。ノドの奥へするりと吸い込まれていった後、ほのかに口内にただようミントの香り。まこと上品なハイボールである。

 メニューを見ると、「白州」とともに楽しんでもらうために作った、オリジナルの「抹茶生チョコ」があるという。そりゃ追加で試してみるしかないじゃないの。

.jpg

 出てきたとたん、口に放り込む。

 チョコで予想される濃厚な甘さはない。むしろ、生キャラメルに近い味と食感である。それに抹茶にカモミールなどが隠し味的に加わり、控えめながら複雑な味わいを生み出している。

 続けてグラスをあおってみると、ウィスキーの味の輪郭がより鮮明になり、ハイボールの味わいを引き立ててくれる。うーむ見事じゃあ。

  ご馳走さまー。

 支払いは計800円。そういえばそろそろバレンタインデーだったな。この店で、こんなチョコをハイボールともどもプレゼントされたら、惚れちゃうだろうなあ。バレンタインデーでなくても、おごってくれるならそれなりに惚れちゃってもいいなあ、などとほろ酔い加減で勝手なことをつぶやきつつ、上機嫌で山手線に乗り込むのであった。

 

(写真・文=奥谷道草)

  

DATA 森香るBAR 1973

 白州 森香るハイボール650円  抹茶生チョコ150円 JR上野駅内 エキュート上野3F 電話 03-5826-5623  営業時間 平日7:00~23:00(日祝〜22:30) 無休 *店名の1973は、サントリーウィスキーの白州蒸溜所の誕生年に由来する。