創刊号『全国観光時間表』1963年5月号の誌面を一部公開！【第4回】

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【P.18】山陽本線・呉線

東京・関西と九州を結ぶ特急・急行列車が走る山陽本線。特急列車の運転本数は東海道本線に次ぐ幹線で、岡山駅から四国連絡の宇野線に入る特急・急行列車も運転されていた。当時の電化区間は横川駅までで、展望車（パーラーカー）を連結した151系電車特急〔つばめ〕（東京～広島間）・〔富士〕（東京～宇野間）・〔うずしお〕（大阪～宇野間）、153系電車急行〔宮島〕（東京～広島間）・準急〔鷲羽〕（京都・大阪～宇野間）が運転。関西から九州へは、キハ80系気動車特急〔かもめ〕（京都～長崎・宮崎間）・〔みどり〕（大阪～博多間）のほか、東京・大阪発の九州方面行き夜行急行列車があった。また、東京からの夜行急行列車が大阪で朝を迎え、大阪から昼行列車として運転する急行〔安芸〕（東京～広島間）・〔瀬戸〕（東京～宇野間）・〔筑紫〕〔ぶんご〕（東京～博多・大分間）があった。

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【P.84】予讃本線・宇高航路

宇野線の終着駅・宇野駅と四国の玄関口・高松駅を結ぶ宇高航路を介して、東京・関西と四国各地を結ぶ列車が運転されていた。東京駅21時00分発（大阪駅発は翌朝7時33分）の夜行急行〔瀬戸〕は翌朝11時14分に宇野駅に到着。宇野港発11時35分の宇高連絡船11便に接続し、高松港に12時45分に到着。高松駅では松山・宇和島方面の準急〔せと〕、高知・窪川方面の準急〔南風〕が接続。各列車を利用すれば、松山駅に16時23分、宇和島駅に18時43分、高知駅に16時06分、窪川駅に17時35分に到着する。同様に特急〔うずしお〕（大阪～宇野間）～急行〔道後〕（高松～松山間）・〔浦戸〕（高松～高知間）、特急〔第1富士〕（東京～宇野間）～急行〔四国〕（高松～宇和島間）・〔黒潮〕（高松～窪川間）など、東京・関西と四国各地を結ぶ連絡列車網が形成されていた。

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【P.91】土讃線（1963〈昭和38〉年12月に土讃本線に改称）・徳島本線

土讃線の列車は近距離の区間運転を除いては高松駅発着で、宇高航路の発着に合わせてダイヤが設定されていた。四国内の急行列車は予讃本線に〔四国〕〔道後〕の2本、土讃線に〔黒潮〕〔浦戸〕の2本が設定されており、いずれも特急〔富士〕〔うずしお〕に連絡。本州内が急行・準急列車の場合は、四国内は準急・快速列車が連絡した。急行〔浦戸〕〔黒潮〕は特急に匹敵する速達列車で、東京駅発8時00分の特急〔第1富士〕に乗車すると、高松駅発18時54分の急行〔黒潮〕に連絡し、高知駅に21時37分に到着。大阪駅発7時00分の特急〔うずしお〕に乗車すると、高松駅発11時28分の急行〔浦戸〕に連絡し、高知駅に14時09分に到着。東京駅から高知駅までの所要時間は13時間37分、大阪駅から高知駅までは7時間09分であった。また、徳島本線には高知駅発着の準急〔阿佐〕、松山駅発着の準急〔いしづち〕が運転されていた。

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【P.92】高徳本線・牟岐線・小松島線

高松駅と徳島駅を結ぶ高徳本線には、高松駅で宇高連絡船に接続する準急〔阿波〕、牟岐線に直通する準急〔むろと〕が運転されていた。大阪駅発7時00分の特急〔うずしお〕に接続する準急〔阿波1号〕は、徳島駅に12時46分に到着。大阪駅から徳島駅までの所要時間は5時間46分であった。徳島駅と小松島港駅（仮乗降場・小松島駅の300ｍ先にある）を結ぶ小松島線（中田～小松島間・1985〈昭和60〉年廃止）があり、大阪・神戸・和歌山から小松島港まで船便を利用するルートも利用された。ちなみに神戸～小松島間の所要時間は3時間55分、和歌山～小松島間は2時間30分で、鉄道利用より運賃が安く、所要時間もかからなかった。また、小松島港～高知間に準急〔阿佐〕、小松島港～松山間に準急〔いしづち〕が運転されていた。