創刊号『全国観光時間表』1963年5月号の誌面を一部公開！【第9回】

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【P.41】準急〔伊豆〕〔いでゆ〕〔湘南日光〕・準急〔芙蓉〕〔長尾〕

当時から湯河原・熱海・伊東は温泉観光地としてにぎわっており、東京駅発の伊東駅行き準急列車が運転されていた。1961(昭和36)年12月に東海岸線(伊豆急行)が開通すると、準急〔伊豆〕1往復と土曜・休日運転の準急〔おくいず〕が乗り入れて伊豆急下田駅発着となった。東京～伊東間には準急〔いでゆ〕、週末ともなると下りが土曜、上りが休日運転の準急〔あまぎ〕〔いこい〕が増発された。さらに日光～東京～伊東間に準急〔湘南日光〕（行楽期は毎日運転の不定期列車）が運転された。これは伊豆の温泉に宿泊し、日光観光をするという需要が新婚旅行客を中心にあったためである。なお、三島駅から修善寺駅まで駿豆線（伊豆箱根鉄道 ）にも準急〔伊豆〕などが乗り入れており、東京～熱海間では伊豆急下田駅発着の列車と併結運転していた。また、小田原線(小田急電鉄) 新宿駅から御殿場線 御殿場駅まで、小田急電鉄の気動車準急〔芙蓉〕〔長尾〕〔銀嶺〕〔朝霧〕が乗り入れていた。

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【P.124】準急〔外房〕〔内房〕・房総東線・房総西線

千葉駅（起点は蘇我駅）から勝浦駅を経由して安房鴨川駅を結ぶ房総東線と、千葉駅から館山駅を経由して安房鴨川駅を結ぶ房総西線が、房総半島を一周する路線。房総東線が準急〔外房〕、房総西線が準急〔内房〕で、新宿・両国～千葉間は併結運転となった。千葉駅から総武本線に乗り入れていたため、上り列車に「直通」の記載がある。また、休日には両国～安房鴨川間に〔休日外房〕、両国～館山間に準急〔休日内房〕が設定されていた。房総東線は朝の上り列車と夕の下り列車を除いて気動車が、房総西線は全列車に気動車が使用され、気動車による無煙化がいち早く進められていた。

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【P.126】準急〔犬吠〕〔水郷〕・総武本線・成田線

御茶ノ水駅から佐倉駅・八日市場駅を経由して銚子駅を結ぶ総武本線と、佐倉駅から成田駅を経由して松岸駅を結ぶ成田線が、房総半島の付け根を横断する路線。新宿・両国～銚子間に準急〔犬吠〕、新宿・両国～佐原・小見川間に準急〔水郷〕が運転され、新宿・両国～佐倉間は併結運転となった。朝夕の通勤列車は蒸気機関車けん引の客車列車が使用された。当時の両国駅は房総方面の列車の始発駅としてにぎわっており、行き止まりの3～6番線ホームに4本の列車が並ぶ光景も見られたが、現在は3番線ホームのみが残され、イベントなどに使用されている。

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【地図】関東・甲信越エリアの巻頭地図

関東・甲信越エリアは第三セクター鉄道に移管された路線はあるが、中小のローカル私鉄を除いて廃止された路線は少ない。大きく異なるのは、東海道新幹線や東北・上越・北陸新幹線が未開業で、東海道本線が特急・急行列車の走る日本一の大幹線、東北本線・信越本線・上越線が特急列車の走る幹線であった時代であった。只見線 会津川口～大白川間、会津鬼怒川線(野岩鉄道) 新藤原～会津高原（現・会津高原尾瀬口）間、ほくほく線（北越急行） 六日町～犀潟間、武蔵野線 府中本町～西船橋間、埼京線 赤羽～大宮間、京葉線 東京～蘇我間、総武本線 東京～錦糸町間など、現在と比較すると未開業の路線が数多くある。