主なカテゴリ
  • 時刻表
  • 雑誌
  • 書籍
  • こどものほん
  • 新書
  • 新聞
  • 会社案内 企業・書店様へ

ショッピングカートを見る

ジパング倶楽部

毎月25日発行

ジパ活     毎月下旬更新

「ジパング俱楽部」会員様からの、「ジパング俱楽部」を活用した声を紹介します(敬称略)。

※写真はイメージです。

■ジパ活 応募要項

「ジパ活」は、ジパング倶楽部を使った旅の思い出などを200~400字程度にまとめてお寄せください。採用者には、QUO(クオ)カードを進呈します。

応募はこちら

■作品発表

【12月】

HP.jpg

銀世界の旅

埼玉県 市村登美子(77歳)

平成20年12月、2泊3日で東北をひとり旅した。

 1日目は、東北新幹線八戸(はちのへ)駅で乗り換え、青森へ。駅からバスに乗り、花弁雪(はなびらゆき)に吹かれながら「青森県立美術館」へ行った。まずは、シャガールの大作3点を鑑賞。見上げると、まるで緞帳(どんちょう)のようだった。それから、見たかった奈良美智(よしとも)の作品。きりりとした目がいいね。寺山修司のコーナーもあった。館内は私ひとりきりで、ゆっくりと回ることができた。そして、北国の空、雪空の暗さの外に出て、バスを待った。

 駅に戻ってからは、近くの市場を見て回り、ニンニクや干し魚などを買い求め、宅配便に。夕食は、市場の人に教えてもらった寿司店でとった。銚子1本は地酒だ。カウンターで板さんとなじみらしい客が話すのを聞きながら、うまい寿司に満足。食後は静まった大通りを歩いて、宿へと向かった。

 翌朝は、うっすらと銀世界。その日はまず特急で秋田駅まで行き、横手駅まで。さらに北上(きたかみ)線に乗り換え岩手県のほっとゆだ駅で下車。駅構内には温泉があった。湯船は広く、次々と地元の人が湯道具を入れた小さな籠を持参して入ってきた。ゆっくり入ったが、電車の時間にはまだ間があったので、湯冷めを恐れて外には出ず、ちらちらと舞う雪を眺めた。その後再び列車に乗り、北上駅にて下車。その日の古い宿は、小さくて温かかった。

 3日目は、山形方面へ。北上駅から宮城県の古川駅を経由して、陸羽東(りくうとう)線の新庄駅へ。そこから山形新幹線で山形駅を経由し、高畠駅へ。その日も駅舎にある温泉に入った。いいねえ。

 冬の東北、宿こそ温泉はなかったが、鈍行列車にたっぷり乗って、銀世界と時折見られる冬枯れの風景に飽きることはなかった。こうしてのんびり眺める時間も、ひとり旅ならではの醍醐味(だいごみ)だ。

 

 

 

HP.jpg

桃太郎会

和歌山県 竹中佳子(70歳)

 同じ大学の同窓生で、「桃太郎会」なるものを作って旅をしています。桃太郎の故郷である岡山を振り出しに、次の年は東京の浅草名所(あさくさなどころ)七福神、京都の「若冲(じゃくちゅう)展」と、今まで3回旅をしました。考古学を学んでいる友人の説明を聞きながら旅をするので勉強になることが多く、風景とともに歴史にも興味を持つようになりました。今年は、和歌山県の新宮(しんぐう)市へ旅して、約2200年前に不老不死の霊薬を求め渡来した、徐福(じょふく)にあってこようと思っています。

 桃太郎会で旅をする時はいつも「ジパング俱楽部」にお世話になっており、参考になる資料も多く、嬉しく思っています。そして、旅先でよき景色に出合うと、思わずカメラを向けて、楽しい旅を終えるのです。

 

 

 

 

【11月】

HP.jpg

飯山線の旅
新潟県 田村淳子(72歳)

 

 夫の友人夫妻と私たち夫婦の旅は、もうかれこれ20年近く続いている。お互いが「ジパング俱楽部」の会員なので、さまざまなローカル線の旅を交互に企画して、簡単な旅のしおりを作り、4人であちこち楽しんでいる。

 ある年、飯山(いいやま)線の旅を夫が企画して実施した。「新緑を訪ねて」と、4人でわくわくしながら長岡駅を出発した。

 列車は2両編成で、なんと私たち4人のグループのほか、もう1両に1人乗車していただけで、ほぼ貸し切り状態だった。その日は晴れて申し分ない青空で、進むに従って田園風景が広がり、木々の緑はまさに新緑。花にも勝るとも劣らない景色に、4人して大満足。たまに農家の人が田や畑にいるだけだった。気兼ねなく話をしながら、思いきり新緑を目に焼き付けた旅であった。

 今度は、米坂(よねさか)線を旅行してみたい。

 

 

 

 

 

 

2.jpg

おわら風の盆
鹿児島県 植松節子(76歳)

 

 数年前、以前から一度は行きたいと願っていた「越中八尾(えっちゅうやつお) おわら風の盆」へ出かけた。おわら風の盆は、毎年9月1日から3日間行なわれている。

 鹿児島駅から新幹線、在来線を乗り継ぎ、八尾の町へ降り立った時、私は興奮していた。既に町中のあちこちで踊りが見られるなか、私は特設ステージへ向かった。

 壇上では、編み笠を目深(まぶか)にかぶり、しなやかな動きで指先までキリリと伸ばして踊る「女踊り」や、黒い衣装の勇壮な「男踊り」が次々と登場して、すっかり魅せられてしまった。

 夜になると、「町流し」という踊り連(れん)が始まる。そこに哀調を帯びた胡弓(こきゅう)の音が入ると、私の興奮は最高潮に達した。今でもその光景は、脳裏に焼き付いている。

 

 思い出は指の先まで風の盆

 

 

 

【10月】

1.jpg

満月と一緒に

埼玉県 森井 眸(83歳)

 

 午前2時。昼は小雨(こさめ)が降っていたのに、今、明るい月の光が部屋に入ってくる。時々雲に隠れながら、それでも異様に輝いている。

 昔のことになるが……この月の輝きで思い出した。夜10時頃、香川県の高松駅を寝台特急「サンライズ瀬戸」で出発。ひと眠りして、ラウンジへ行った。

 外を見ると、雲ひとつない夜空。ちょうど目の前に満月がある。列車と一緒についてくる。満月と同行して、東京へ行く。こんな贅沢(ぜいたく)で、幸せな夜があるだろうか。かぐや姫が帰った夜も、こんな月だったのだろうかと想像しながら、うっとりと、眠ることも忘れた。今でも目に浮かぶ。

 仕事で何度も「サンライズ瀬戸」は利用させてもらって、眠っていれば目的地へ着くことが魅力だった。たった一度、この夜だけは特別に設定されたかと思うほど、美しく、感動的な夜だった。

 

 

 

 

 

 

.jpg

”鴨鍋”と星空の旅

大阪府 池野希譽司(80歳)

 

 こんな歳で、よくそんなに旅に出るものだと、自分でも感心しています。

 3月20日に大阪駅から出発して、新快速で滋賀県にある湖西(こせい)線の永原(ながはら)駅に向かいました。「鴨鍋と麻雀(マージャン)の会」で毎年恒例にしている5人旅です。ただ、今年は30年来常宿にしていた民宿が、主人が高齢のために廃業となり、近くの国民宿舎に変更しての旅でした。

 永原駅に到着して、足の悪い私は駅の階段、それも86段を一歩一歩用心して降りました。この旅で、一番大変な行程はここです。

 無事に降りたところへ宿の出迎えの車が待っていてくれて、20分ほど琵琶湖(びわこ)湖畔(こはん)を走って到着です。さっそく部屋で麻雀開始。夕刻には露天風呂に入り、星空を眺めながら“鴨鍋”をおいしくいただきました(今回、2月末までの御馳走を特別に出してくれました)。

 翌朝、来年は1月末にぜひとも来たいと予約したしだいです。長生きの目標ができた旅でした。

 

 

 

【9月】

ok.jpg

信州の旅
富山県 畑下弘子(83歳)

 

 6月の中旬に、2泊3日の信州の旅に行きました。よく晴れた日で、雪を残した山々の峰はひときわ美しく、素晴らしい眺めでした。

 ホテルの食事では、信州特産の山芋のとろろ汁がありました。こどもの頃、母親が大きなすり鉢とすりこぎ棒でじっくりと作ってくれたとろろ汁を思い出し、存分にいただきました。長野県産の白いごはんによく合い、私にとっては何よりの御馳走でした。

 日常のストレス解消は、おいしいものを食べ、山の湯に浸(つ)かり、いろんな人と出会うことにかぎります。今後も、健康でいろんな旅に参加できますことを願っています。

 

 

 

 

 

 

ok.jpg

さとちゃんのバイキング
茨城県 武田孝一

 

 14年前の5月の連休に、東京の孫2人をともなって、親子三代で房総(ぼうそう)の宿に出かけた。回遊式のプールで遊んだ後、18時から1階の指定の大宴会場へと向かった。

 着物姿のお姉さんが「あ、武田さんご一家ですね。こちらへどうぞ」と案内してくださった。そうして、「今夜はバイキングでございますので……」と言い終わらないうちに、3歳の下の孫、さと(る)ちゃんが「なにー!バイキンなのー!」と甲高い声を上げた。お姉さんは、「いえ、全部食べられます」と言い返した。周囲の先客たちは、着席していたイスから転げ落ちるような大爆笑となり、笑いが治まるまでに数分を要した。まさに、アンパンマン、バイキンマン世代のこどもの反応であった。

 その後、孫が夏休みやお正月にわが家を訪ねてくるたびに、くすりと私の口元に笑みが浮かぶ。わが家の楽しい思い出のひとつである。