2021年12月24日
直線を使用した幾何学的な前面形状、利用者に親しまれたコーポレートカラーの配色で、先進性と親近感を表現した外観
■外観 先進性と親近感
■車内 優しさ、安心感...快適な移動空間
JR東海は、在来線の新型通勤電車として23年ぶりの投入となる「315系」について、3月5日から中央線名古屋―中津川間で運転を開始する。外観デザインは「先進性と親近感」、車内デザインは「優しく安心感のある快適な移動空間」がコンセプト。安全性・安定性、車両品質、環境機能性の向上を図った車両の特長を紹介する。
(栗原 康弘記者)
315系は、直線を使用した幾何学的な前面形状で、高輝度LEDの標識灯を配し先進性を表現。配色はコーポレートカラーのオレンジとホワイトを調和させ、端部に丸みを持たせて柔らかな印象を親近感として演出した。
安全面では、安全性向上台車、常時状態監視システムを導入。JR東海の在来線で初めて非常走行用蓄電装置を今年夏以降に順次搭載し、長時間停電時に自力走行、空調装置の動作が可能になる。
■電力消費量を約35%低減
環境面では、電力消費量を211系比で約35%低減。旅客への安全面では、1両につき車内防犯カメラを5カ所、非常通話装置を3カ所設置し強化する。
このほか、全車両に車いすスペース、全編成に車いす対応トイレを設置。乗降口とホームとの段差は、211系比で約5㌢縮小した。また、冷房能力を211系比で約3割向上。人工知能(AI)による自動学習・制御最適化機能を国内で初めて導入、同社初の弱冷房車を設定する。
■211系、311系など順次置き換え
315系は2025年度にかけて352両を新製し、中央、東海道、関西各線などの211系、213系、311系を順次置き換える。
1両につき車端部と乗降口の5カ所に設置した防犯カメラ。車内セキュリティーを強化する
全車両に各1カ所設けた車いすスペース。床面表示で明確化した
座席は1人当たりの幅を拡大、形状変更で座り心地を向上。腰掛け中央部に手すり、端部に大型袖仕切りを設置した
車内案内表示器はカラーユニバーサルデザイン対応のフルカラー液晶ディスプレーを採用
長寿命、省電力の高輝度LEDを標識灯に採用し、省エネルギー化を実現
赤外線、紫外線を99%カットする遮熱、遮光仕様とした窓ガラス