2022年5月20日
JR東海は20日、同社東海鉄道事業本部名古屋車両区構内で、
同社初のハイブリッド方式を採用した新型特急車両「HC85系」の量産車両を報道陣に公開した。
既存のキハ85系を順次置き換える。
■7月1日から「ひだ1、4、10、17号」で運用開始
同社が同日発表した運転計画によると、
HC85系は7月1日から「ひだ1号、4号、10号、17号」に投入。
8月1日からは「2号」「15号」でも運用する。
報道公開された新型特急車両「HC85系」(右はキハ85系)
(交通新聞社撮影©交通新聞社)
公開されたHC85系は、1編成4両で構成。
「沿線の魅力を取り入れた車内設備」が紹介されたのが今回の目玉。
グリーン車は「落ち着いた上質感」をコンセプトに沿線の新緑や美しい川、
夕暮れの紫の空、飛騨家具の木目調を取り入れたデザインで、床面は絨毯(じゅうたん)敷。
グリーン車内(交通新聞社撮影©交通新聞社)
一方、普通車は「明るいワクワク感」をコンセプトに、沿線の紅葉、祭り、花火を取り入れたデザインとした。
座席の背もたれを高くして、プライベート感を向上させたほか、背面テーブルの大型化にも取り組んだ。
車両デッキ部には、「ナノミュージアム」と銘打って、
沿線地域の伝統・文化を感じてもらう工夫が施された。
「ナノミュージアム」の展示例(普通車デッキ部)
(交通新聞社撮影©交通新聞社)
グリーン車デッキ部は壁掛け枠型スペースに「岐阜団扇」(岐阜市)、「美濃和紙」(美濃市)、
普通車デッキ部は箱型スペースに「一位一刀彫」(高山市)、「飛騨春慶」(同)、「伊勢型紙」(鈴鹿市)を
展示する予定。
このほか、バリアフリー設備の充実化の一環として、車いすスペースを編成あたり3カ所設置した。
2023年4月1日施行の「移動等円滑化に関する」改正省令を前に対応。
ハンドル型電動車いすが入ることができる広さを確保した多機能トイレ、洗面所も設置した。
3カ所の車いすスペースを配置(交通新聞社撮影©交通新聞社)