2023年10月1日
宇都宮市は9月28日、「芳賀・宇都宮LRT」の開業1カ月の利用状況を発表した。それによると、8月26日の開業から9月25日までの利用者数は約42万人で、開業前に公表した当初需要予測の1.4倍となっていることを明らかにした。
平日は通勤・通学利用客を中心に当初需要予測と同程度の1日当たり1万2000~1万3000人、土曜日・休日はイベントや商業施設に向かう利用客を中心に4倍程度の1万5000~1万6000人となっている。
平日利用客数の最多は9月1日の約1万5000人、土休日は9月3日の約2万人。3日はサッカーJ2・栃木SCのホームゲーム(栃木県グリーンスタジアム、最寄り停留場・グリーンスタジアム前 )が開催され、試合終了後の21時台に2本増発して宇都宮駅東口方面の観客輸送に取り組んだ。
同市では「運行頻度や本数を抑えた運行状況の中、予測を上回る多くの方にご利用いただいている。今後もより多くの方にご利用いただき、定着が図られるよう、芳賀町や宇都宮ライトレールと連携しながら取り組んでいく」とした。一方で、開業1カ月間で3度の自動車との接触事故が発生した現状については「事故発生や土休日における電車遅延の発生などの課題が生じていることから、今後とも安全性の確保を第一としながら快適にご利用いただけるよう対応していく」とした。
■「ライトライン」 一体的な愛称として活用
LRTの事業主体の宇都宮市ではこの日、車両名称「HU300形」の愛称「ライトライン」が、車両本体のほか、停留場サイン、宇都宮駅では車両の乗り場を意図する表記(ライトラインのりば)とされていること、また、市はじめ運行会社・宇都宮ライトレールのホームページに路線名称「宇都宮芳賀ライトレール線」、事業名称「芳賀・宇都宮LRT」の表記が混在していることに関する地元市議会議員からの「分かりにくい」との指摘を受けて、今後は車両愛称の「ライトライン」を一体的な愛称として活用していくことを明らかにした。
同市では、理由について「車両愛称の決定から2年半ほどが経過,開業を迎え、市民・町民や報道などによる呼称などについて、『ライトライン』の愛称は定着度が高くなってきている。今後さらに愛着・親しみを持ち、マイレール意識を醸成していただけるよう、すでに馴染みがあり、『まちの顔』『事業の顔』であるLRT車両の愛称『ライトライン』を路線や事業などの一体的な愛称として、今後さまざまな場面で積極的に活用していく」とした。
なお、会社名については、引き続き「宇都宮ライトレール株式会社」を統一的な表現とし、「愛称は設定しない」とした。また、路線や事業などについても「愛称として活用するものであり、それぞれのふさわしい場面においては引き続き正式名称を使用する(正式名称を変更するものではない)」として、引き続き併用していく考えを示した。