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■気になるニュースから■ 野岩鉄道 クラファンで車両改修 「やがぴぃカー」26日デビュー

2024年1月12日

野岩鉄道(栃木県日光市)がクラウドファンディングサービスを通じて資金募集していた同社に残る唯一の車両「6050型」(61103、62103編成)の改修工事が完了、このうち、61103号車の名称を「やがぴぃカー」に決め、今月26日から営業運転を行うことになった。

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車両改修は、運転開始から36年にわたり走り続けた同車両の魅力をさらに高め〝乗って楽しい電車〟にするのが目的。2022年8月10日から10月7日までの募集期間に全国から約1100人、約2200万円の資金が寄せられた。

外観の色づかいは原形を極力守り、内装面を大幅にリニューアル。61103号車「やがぴぃカー」では、61101、62101編成で使用されていた運転台を活用した「運転台席」を2カ所に設置。モニターも併設して6050型の乗務員室から撮影した前面展望画像を映し出すようにしている。

野岩鉄道①車内(鴻田撮影).JPG

新藤原―湯西川温泉間、湯西川温泉―上三依塩原温泉口間、上三依塩原温泉口―会津高原尾瀬口間の3区間で利用可能。

車内には「畳席」(20席)を新設して、一部に「掘りごたつ席」(4席)も用意した。いす席(8人分)もある。

62103号車では、車内設置のトイレを和式から洋式に変更。連結部付近には「多目的スペース」を設けて、車いす利用者、ベビーカー利用者のほか、自転車持ち込み客にも対応する。座席のみの定員66人。

事前予約・定員制となる「やがぴぃカー」の利用では、乗車券のほかに座席整理券が必要で、大人500円、子ども250円。掘りごたつ席はさらに大人500円、子ども250円、運転台席は1区間当たり大人500円、子ども250円が必要。

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専用メールアドレスから受け付ける。

yagapi-go-yoyaku@yagan.co.jp

62103 号車(ボックスシート席)は乗車券のみ。

 ◇

当面の運転日は26、28日、2月2、4日の4日間。上り新藤原発10時51分、下り会津高原尾瀬口12時52分の2本。

詳細は同社ホームページで案内。

http://www.yagan.co.jp/

 

野岩鉄道②テープカット(鴻田撮影).JPG 

 ■6050型

野岩鉄道会津鬼怒川線への直通運転用として東武鉄道が1985年にデビューさせ、野岩鉄道には86年から投入された。座席指定制の快速急行、「尾瀬夜行」「スノーパル」など、主に浅草―東武日光・会津高原尾瀬口・会津田島間で活用された。

東武は2022年3月のダイヤ改正で、南栗橋以北の日光・鬼怒川線での全面的なワンマン運転に伴い、鬼怒川線・野岩線直通列車を原則として廃止。会津鉄道でも同車両の運用を終えている。