最近よく聞く言葉だけど、本当の意味がよく分からないという人が多いのが「モーダルシフト」。でも、実は戦前から日本でも行なわれてきた貨物輸送方法のことです。本書は、その言葉を正面からアプローチし、さらに日本のみならず、諸外国の例と同じ目線で解説しています。そもそも「モーダルシフトとは?」に始まり、「日本のモーダルシフト」「アメリカのモーダルシフト」「ヨーロッパのモーダルシフト」など、日本と諸外国の例を客観的に解説。同じ貨物輸送でも日本との違いや、諸外国の特徴などが見えてくる一冊です。当シリーズ001『貨物列車』とあわせて読むと、日本と世界の貨物輸送の全体像を把握することができます。
NFT付録は、アメリカとヨーロッパの貨車図鑑。日本以上に需要が高い鉄道貨物輸送ゆえ、その貨車も姿や機能が実に個性的。そんなビジュアル的にも興味深い貨車の世界です。
目次
はじめに
第1章 貨物輸送とモーダルシフト
1-1-1▶ 世界を駆け巡る鉄道インターモーダル輸送
1-2-2▶ 物が届くまで~インターモーダルとモーダルシフトⅠ モノの流通
1-2-2▶ 物が届くまで~インターモーダルとモーダルシフトⅡ 複合一貫輸送
1-3-1▶ インターモーダル輸送の利点Ⅰ 輸送機関の特性
1-3-2▶ インターモーダル輸送の利点Ⅱ コンテナによる輸送の効率化
1-4-1▶ インターモーダル輸送の構成要素Ⅰ コンテナとトレーラ
1-4-2▶ インターモーダル輸送の構成要素Ⅱ コンテナの利点
1-4-3▶ 1-4-3▶インターモーダル輸送の構成要素Ⅲ トレーラの利点
1-5-1▶ コンテナの形態Ⅰ 海上コンテナの登場
1-5-2▶ コンテナの形態Ⅱ 海上コンテナの世界標準化
1-5-3▶ コンテナの形態Ⅲ 海上コンテナの種類
1-6-1▶ トレーラの形態
1-7-1▶ 世界のインターモーダル輸送Ⅰ 日本
1-7-2▶ 世界のインターモーダル輸送Ⅱ アメリカ
1-7-3▶ 世界のインターモーダル輸送Ⅲ ヨーロッパ
章末コラム コンテナの識別方法
第2章 日本のモーダルシフト
2-1-1▶ 日本の鉄道コンテナ輸送のあけぼのⅠ 戦前
2-2-1▶ コンテナ専用列車〔たから〕Ⅰ コンテナ貨物列車のパイオニア
2-2-2▶ コンテナ専用列車〔たから〕Ⅱ 〔たから〕以降のコンテナ列車
2-3-1▶ 国鉄時代のインターモーダル輸送Ⅰ コンテナ列車の高速化
2-3-2▶ 国鉄時代のインターモーダル輸送Ⅱ 路線トラック貨物の獲得
2-4-1▶ 国鉄時代のインターモーダル輸送Ⅲ 海上コンテナ輸送列車
2-4-2▶ 国鉄時代のインターモーダル輸送Ⅳ 中型トラックのピギーバック輸送
2-5-1▶ JR貨物時代のインターモーダル輸送Ⅰ JR貨物のコンテナ列車
2-5-2▶ JR貨物時代のインターモーダル輸送Ⅱ 大型コンテナ列車
2-6-1▶ 〔たから〕以降のコンテナ車両
2-7-1▶ 大型コンテナ対応車両の開発Ⅰ フレキシバン専用車両
2-7-2▶ 大型コンテナ対応車両の開発Ⅱ 海上コンテナ専用車両
2-7-3▶ 大型コンテナ対応車両の開発Ⅲ 本格的な大型コンテナ積載車両
2-8-1▶ JR貨物が開発したコンテナ輸送車両Ⅰ 高速低床車両
2-8-2▶ JR貨物が開発したコンテナ輸送車両Ⅱ 海上コンテナ輸送用改造車両
2-8-3▶ JR貨物が開発したコンテナ輸送車両Ⅲ 海上コンテナ輸送強化車両
2-8-4▶ JR貨物が開発したコンテナ輸送車両Ⅳ 超低床車両
2-8-5▶ JR貨物が開発したコンテナ輸送車両Ⅴ 動力分散型コンテナ列車
2-9-1▶ 国鉄・JR貨物が開発したトレーラ輸送車両Ⅰ 大型トレーラ・トラック積載用試作車
2-9-2▶ 国鉄・JR貨物が開発したトレーラ輸送車両Ⅱ 中型トラック積載実用車両
2-9-3▶ 国鉄・JR貨物が開発したトレーラ輸送車両Ⅲ タンクローリ積載車と貨車不要デュアルモード
章末コラム 〔スーパーレールカーゴ〕用コンテナ
第3章 アメリカのモーダルシフト
3-1-1▶ 貨物輸送中心で発達したアメリカの鉄道Ⅰ アメリカの鉄道の概要
3-1-2▶ 貨物輸送中心で発達したアメリカの鉄道Ⅱ 例外的な国有鉄道
3-1-3▶ 貨物輸送中心で発達したアメリカの鉄道Ⅲ 2種類のインターモーダル輸送
3-2-1▶ インターモーダル輸送の変遷Ⅰ 黎明期の発展
3-2-2▶ インターモーダル輸送の変遷Ⅱ 第二次大戦後の飛躍
3-2-3▶ インターモーダル輸送の変遷Ⅲ プール式と持ち株制による車両供給体制
3-2-4▶ インターモーダル輸送の変遷Ⅳ クレーン要らずのフレキシバン方式
3-2-5▶ インターモーダル輸送の変遷Ⅴ 鉄道会社のライバル・パナマ運河とブリッジ輸送
3-3-1▶ オイルショック後の鉄道インターモーダル輸送の大躍進Ⅰ スパインカーの登場
3-3-2▶ オイルショック後の鉄道インターモーダル輸送の大躍進Ⅱ ダブルスタックカーの登場
3-3-3▶ オイルショック後の鉄道インターモーダル輸送の大躍進Ⅲ アメリカ国内コンテナ大型化のウラ話
3-4-1▶ アメリカのインターモーダル列車のいまⅠ 鉄道モーダルシフトの発展
3-4-2▶ アメリカのインターモーダル列車のいまⅡ 貨物列車の牽引機関車と乗務員体制
3-4-3▶ アメリカのインターモーダル列車のいまⅢ ダブルスタック列車の運転形態
3-5-1▶ アメリカのインターモーダル貨車の開発体制
3-6-1▶ モーダルシフト成長期に試作された革新的トレーラ輸送車両
3-7-1▶ 本格的インターモーダル輸送を支えたフラットカーの展開Ⅰ 基本形
3-7-2▶ 本格的インターモーダル輸送を支えたフラットカーの展開Ⅱ 進化形
3-8-1▶ 実用化された革新的フラットカーⅠ フレキシバン方式
3-8-2▶ 実用化された革新的フラットカーⅡ ロードレーラ方式
3-9-1▶ 超軽量低床型のスパインカーⅠ その先駆け、フューエル・フォイラー
3-9-2▶ 超軽量低床型のスパインカーⅡ トレーラ・トレイン社の開発車両
3-10-1▶ ダブルスタックカーⅠ 基本形
3-10-2▶ ダブルスタックカーⅡ 進化形
章末コラム 北米鉄道車両の所属記号
第4章 ヨーロッパのモーダルシフト
4-1-1▶ ヨーロッパの鉄道 インターモーダル輸送の変遷
4-2-1▶ 非効率だった20世紀初頭の鉄道コンテナ輸送
4-3-1▶ 第二次大戦後の鉄道インターモーダル輸送
4-4-1▶ 鉄道インターモーダル輸送の進展Ⅰ コンテナとトレーラの鉄道輸送
4-4-2▶ 鉄道インターモーダル輸送の進展Ⅱ アルプス山岳地帯のピギーバック列車
4-4-3▶ 鉄道インターモーダル輸送の進展Ⅲ EU主導による鉄道運営
4-5-1▶ イギリスのコンテナ輸送車両
4-6-1▶ ヨーロッパ大陸のインターモーダル車両Ⅰ コンテナ輸送用
4-6-2▶ ヨーロッパ大陸のインターモーダル車両Ⅱ 全目的型
4-6-3▶ ヨーロッパ大陸のインターモーダル車両Ⅱ 陸上フェリーとしてのトラック輸送用
4-7-1▶ 鉄道インターモーダル輸送の最新方式
章末コラム ヨーロッパの車両形式
第5章 世界のモーダルシフト推進策
5-1-1▶ アメリカの鉄道インフラ・プロジェクトⅠ ダブルスタック列車用路線改良プロジェクト
5-1-2▶ アメリカの鉄道インフラ・プロジェクトⅡ 線路容量増強プロジェクト
5-2-1▶ ヨーロッパの鉄道インフラ・プロジェクトⅠ 鉄道インフラ工事
5-2-2▶ ヨーロッパの鉄道インフラ・プロジェクトⅡ 鉄道隘路の改善と課題
5-3-1▶ 日本の鉄道インフラ・プロジェクトⅠ 日本の主力はコンテナによるインターモーダル輸送
5-3-2▶ 日本の鉄道インフラ・プロジェクトⅡ これからのモーダルシフトにむけて
5-3-3▶ 世界のダブルスタック列車
章末コラム ドイツが開発したコンテナ列車の異端児
おわりに・参考データ
略称一覧
参考文献および出典元
アメリカとヨーロッパの貨物車両
アメリカのTOFC輸送用固縛装置の開発
アメリカの第2世代車の革新的車両
アメリカの固定連結式第2世代車
アメリカのTOFC用とCOFC用スパインカー
アメリカのTOFC/COFC兼用スパインカー
アメリカの隔壁型ダブルスタックカー
アメリカのIBC型ダブルスタックカー
アメリカの単車式ダブルスタックカー
アメリカのダブルスタックカーの二極化
ヨーロッパのCOFC用車両
ヨーロッパのCOFC用車両のTOFC/COFC兼用車両
ヨーロッパ広軌鉄道のCOFC用車両
《参考》JR貨物における新たな輸送需要の発掘
今井 昭夫(いまい あきお)
1954年生まれ。京都市出身。神戸大学名誉教授。神戸商船大学航海学科(現、神戸大学海洋政策科学部)卒業後、情報処理技術会社勤務を経て、神戸商船大学物流管理学科助手、助教授、そして神戸大学大学院海事科学研究科教授。京都大学・工学博士。2002年~2003年まで、在スウェーデンの国連大学である世界海事大学正教授。2020年神戸大学を定年退職。専門はコンテナ・ロジスティクス計画。
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