鉄道は長年にわたる調査に基づいて建設され、周到な準備によって着工します。それだけに、一度着工したら当初の予定通りに完成し、そして開業するかのように思われがちです。
しかし、実際は工事が始まってから計画を変更することも多々あります。また、当初の予定通りに開業しても、その後の社会情勢の変化などで改良され、開業時とはまったく違った路線になることもあります。
こうした計画の変更は、時に複雑な経緯をたどることがあり、沿線住民ですら「変転」の歴史をきちんと把握している人は意外と少ないものです。
本書は、各路線が抱える計画「変転」の歴史を分かりやすく解説し、鉄道建設の裏側にあるさまざまな攻防や、人々の思惑を紹介します。
第一章 東京~大宮間鉄道計画の変転
第二章 港北ニュータウンを目指した都営三田線
第三章 複雑怪奇な千葉ニュータウンの鉄道計画の変転
第四章 地下鉄銀座線に乗り入れるはずだった田園都市線
第五章 機種の変更で建設費を減らしたはずの都営大江戸線
第六章 ローカル線から在来線最速幹線に変更された北越急行ほくほく線
第七章 「新幹線ではない新幹線」に生まれ変わった奥羽本線
第八章 ローカル線を「改造」した準高速鉄道の湖西線
第九章 ホームの増設と計画変更をひたすら繰り返した東京駅
草町 義和(くさまち よしかず)
鉄道趣味誌の編集やホームページ製作業を経て、2003年から鉄道ライターとして活動を開始。『鉄道ファン』(交友社)、『鉄道データファイル』(デアゴズティーニ・ジャパン)、『鉄道ダイヤ情報』(交通新聞社)などに寄稿。主な研究分野は廃線跡や未成線跡、鉄道新線の建設や路線計画など。
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