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079 よみがえる鉄道文化財小さなアクションが守る大きな遺産

  • 電子書籍あり
価格 880円(税込)
発売日 2015.04.15
制作 笹田 昌宏
サイズ/判型 新書判
ISBN 978-4-330-56115-8

小さなアクションが守る大きな遺産

鉄道文化財は、すべてが最初から歴史的価値を見出されていたものばかりではない。なかには歴史的価値を否定され、廃棄物として処分されかけた車両や施設などもある。しかし、そのような状況から市民の手で救い出され、磨き上げられたとき、それは一転して鉄道文化財としての輝きを放つようになった。ゴミとして山のように積まれていた国鉄コンテナが、1個3000円で買い取られ、のちに「鉄道博物館」に展示された話など、小さなアクションが大きな鉄道文化財を残すことにつながった、日本および海外の事例とその裏舞台を、人間ドラマを交えながら紹介する。

本書の主な内容

第1部 鉄道文化財が直面する“厳しい現実”
 序 章 頑強そうに見えて、色々な意味で脆い鉄道文化財
     消えた岩手県・城山公園の車掌車たち

 第1章 鉄道文化財を処分することは簡単なのか
     100年の歴史を持つSLを解体する費用はいくら?
     玉虫色のスタートが解体へのハードルを下げた?

 第2章 保存から一転、廃棄物として消えた車両たち
     北海道まで運ばれた新幹線が消えた
     新幹線が消えた現場
     ハイリスクな屋根がそのまま命取りに
     鉄道文化財でも避けられない“高齢化”という課題
     鉄道文化財の価値は企業が決めるもの?

 第3章 鉄道文化財の命運は、社会情勢がカギを握る
     企業の業績悪化で道連れに!?
     自治体の財政難が直撃
     アスベスト問題からSLを救った“魔法の言葉”
     オリンピック開催が車両解体を加速!?
     記念事業が解体の引き金に!?
     重さ80キロの貫通扉が盗まれた!!
     再開発事業はピンチにしかならなかった

第2部 鉄道文化財を掘り起こす!
 第1章 すべては時間との勝負
     救済は解体当日の朝!
     すでに解体場に送り込まれていた車掌車の運命は!?
     所有者の想いと部品類は引き継がれた

 第2章 掘り起こせ、鉄道文化財!
     粋な計らい、腐った木造貨車たちがよみがえった!
     “幽霊列車”からの奇跡の生還!
     朽ち果てたその客車の素性は!?
     切り売り状態から、観光列車の目玉ポイントに
     1個3000円のボロコンテナが殿堂入り!?
     本当に土の中から“ターンテーブル”を発掘!
     最低価格1200万円、その入札の結末とは!?
     掘り起こしに失敗!? 個人での挑戦の挫折とその後

 第3章 鉄道文化財の掘り起こし、海外の現場を見る
     鳥小屋になっていた1等車、執念の掘り起こし
     すべてに大らかなのは、大陸的な気質から!?
     厳しい大自然が生んだ不屈の精神
     苦しい状況の中で残されたことが素晴らしい

 第4章 鉄道文化財の掘り起こし、これからを見つめる
     掘り起こしを待つ鉄道文化財たち
     キーワードは“組み合わせ”
     求む、キューピッド!?
     町づくりに活かしてこその鉄道文化財

著者紹介

笹田 昌宏(ささだ まさひろ)
1971年生まれ。医師、作家。第10回旅のノンフィクション大賞受賞。著書に「全国トロッコ列車」〔岸由一郎共著〕、「英国保存鉄道」「『ボロ貨車』博物館 出発進行!」「あの電車を救え! 親友・岸由一郎とともに」(いずれもJTBパブリッシング)、「ダルマ駅へ行こう!」(小学館)、「学ぼう 遊ぼう おやこ鉄っ!」「フツ―じゃない! 普通列車こだわり旅」「廃駅。」「国鉄&JR保存車大全」(イカロス出版)、「『パパ鉄』バイブル~大満足の全国鉄道スポット55」(講談社)がある。鉄道文化財を市民の立場から守るボランティア団体・ふるさと鉄道保存協会の副理事長を務め、各地に講演や支援に出向いている。

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