若くして首相に上りつめ、昭和の政界で絶大な存在感を持ち続けた田中角栄。そんな彼の代表的な政策提言である『日本列島改造論』は、1972年に刊行されてから、今年で50年目を迎える。
この書のなかで、角栄は日本列島における鉄道の重要性を訴えた。続々と実現している整備新幹線網はまさにそのひとつ。しかし、角栄が重視していた地方ローカル線は、国鉄末期の経営再建、1987年の国鉄の分割・民営化、2011年の東日本大震災など、その時々で窮地に立たされてきた。
この50年間で、角栄の提言はどのように生きているのか。今、解き明かす。
第一章 「日本列島改造論」とその時代
第二章 高速新幹線ネットワークの 50 年
第三章 地方ローカル線 50 年の興亡
第四章 『日本列島改造論』 が遺したもの
小牟田哲彦(こむた てつひこ)
昭和50(1975)年、東京生まれ。早稲田大学法学部卒業、筑波大学大学院ビジネス科学研究科企業科学専攻博士後期課程単位取得退学。日本及び東アジアの近現代交通史や鉄道に関する研究・文芸活動を専門とする。平成28(2016)年、『大日本帝国の海外鉄道』(現在は『改訂新版 大日本帝国の海外鉄道』扶桑社)で第41回交通図書賞奨励賞受賞。日本文藝家協会会員。
詳しい購入方法は、各ショップのサイトにてご確認ください。