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散歩の達人POCKET

散歩本を散歩する

  • 電子書籍あり
価格 1,430円(税込)
発売日 2017.06.19
制作 池内 紀
サイズ/判型 A5判
ISBN 978-4-330-79017-6

『散歩の達人』の人気連載が単行本化!
古今東西の「散歩本」の舞台を無類の散歩好き・
東京好きの著者が歩いた、45冊のイラスト付き町案内。

四年ちかくにわたる月一度の散歩の記録である。
ふだんはひとり散歩だが、月一度にはお伴がいた。
いや、こちらがお伴で、ご主人さまについて歩いた。
幸田露伴、その娘の文、永井荷風、井伏鱒二、内田百閒……。
なんとスゴイ人たちではないか。
三遊亭圓生、小沢昭一、安藤鶴夫、滝田ゆう、江國滋……。
甘いも酸いもかみわけたアッパレな大人たちだ。
種村季弘、坂崎重盛、川本三郎、平松洋子……。
三年会わなくても、会ったとたんにいつもどおりになる。
その人とともに、その人たちの歩いたところが散歩になった。
(中略)
お伴をしたおかげで、まるきり気づかなった世界と生きた関係ができたような気がする。(「あとがき」より)

【目次】

Ⅰ 水の都 東京
川辺の酒問屋街 幸田 文『ふるさと隅田川』
モヤにけむる夢の浮橋 鈴木理生『江戸の橋』
川底に村が眠る大河 竹内正浩『カラー版 地図と愉しむ東京歴史散歩』
“昭和広重”の鳥瞰図 村松 昭『多摩川散策絵図』
いつの時代も娯楽の水辺 陣内秀信+法政大学陣内研究室『水の都市 江戸・東京』
水の都・東京の記録 幸田露伴「水の東京」

Ⅱ 江戸の面影
TOKYOワンダーランド 江戸いろは会『「江戸」を歩く』
「目黒白金図」を歩く 池波正太郎『江戸切絵図散歩』
ある噺家の思い出の江戸 三遊亭圓生『江戸散歩 上・下』
花見の名所のいま・むかし 江國 滋『絵本・落語風土記』
絵図を手引きに中山道へ 今井金吾『新装版 今昔中山道独案内』
江戸時代の迷い子探し 長谷川渓石 画/進士慶幹・花咲一男 注解『江戸東京実見画録』
百兵衛さんがいた路地 安藤鶴夫『わが落語鑑賞』
東京一の眺望の変容 芳賀ひらく『デジタル鳥瞰 江戸の崖 東京の崖』
古い宿場の裏町で 岩本素白『東海道品川宿―岩本素白随筆集』
坂の名も江戸っ子気質 横関英一『江戸の坂 東京の坂(全)』
コラム 日本のまち並みに思うこと

Ⅲ 明治、大正、昭和をたどる
神社の裏手の坂道 永井荷風『日和下駄 一名 東京散策記』
善福寺川の二人 井伏鱒二『荻窪風土記』
ふだんどおりの怪異 内田百閒「東京日記」
山の手のお屋敷町の記憶 新井 巌『番町麴町「幻の文人町」を歩く』
ボクの(ワタシの)桃源郷 新潮社 編/東京国立博物館 監修『こんなに面白い東京国立博物館』
明治建築にチョコッと潜入 穂積和夫『絵で見る 明治の東京』
平和になった自殺の名所 今 和次郎『考現学入門』
昭和五年の地図を片手に 赤岩州五/原田 弘・井口悦男 監修『銀座 歴史散歩地図 ―明治・大正・昭和』

Ⅳ 東京生まれの東京育ち
歌舞伎とSFの幻影風景 木村荘八『新編 東京繁昌記』
隠者がつくった浅草絵図 荒俣 宏『大都会隠居術』
パリのブルヴァール歩き 滝田ゆう『下駄の向くまま 新東京百景』
裸女像のミステリー 小沢信男『東京の人に送る恋文』
酉の市へ裏道散歩 小沢昭一『ぼくの浅草案内』
「一つ目小町」の華やぎ 種村季弘『江戸東京《奇想》徘徊記』
“亀有年代記”のその後 秋本 治『両さんと歩く下町』
純正な一徹者の町 川本三郎『ちょっとそこまで』

Ⅴ 小さな旅
東京の西の端をさまよう つげ義春『新版 貧困旅行記』
町に残る“パリー”の時代 若菜晃子『徒歩旅行』
シャトーに見る夢のあと 財団法人日本ナショナルトラスト 監修『日本近代化遺産を歩く』
日本版ソングラインをゆく 今尾恵介『鉄道唱歌と地図でたどる あの駅この街』
スイス青年の「わが町」 ニコラ・ブーヴィエ『ブーヴィエの世界』
所要時間二分の単線 長谷川 裕・村上 健『怪しい駅 懐かしい駅 東京近郊駅前旅行』
足袋とフライの城下町 安西水丸『ちいさな城下町』

Ⅵ 味な散歩
いとしい食べ物の由来 菊地武顕『あのメニューが生まれた店』
石臼組の居つく酒場 太田和彦『銀座の酒場を歩く』
地下街で「時間くぐり」 坂崎重盛『東京煮込み横丁評判記』
王さまの一日ゴホービ 『東京渋カフェ地図』
元場末のレストラン 辻 征夫「池袋 土曜の午後」
味わい深いごちそう 平松洋子『焼き餃子と名画座 わたしの東京 味歩き』

著者紹介

池内 紀(いけうち おさむ)
1940年兵庫県姫路市生まれ。ドイツ文学者・エッセイスト。主な著書に『ゲーテさん こんばんは』(桑原武夫学芸賞)、『海山のあいだ』(講談社エッセイ賞)、『二列目の人生』、『亡き人へのレクイエム』、『恩地孝四郎 一つの伝記』(読売文学賞)など。編注に森鷗外『椋鳥通信』(上・中・下)、訳書に『カフカ小説全集』(日本翻訳文化賞)、『ファウスト』(毎日出版文化賞)、アメリー『罪と罰の彼岸』など。大好きな山や町歩き、自然にまつわる本も、『日本の森を歩く』、『ニッポン周遊記』など多数。

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